阿蘇さとう農園 STORY BOOK
「阿蘇さとう農園」さんのブランドブックのプランニングを担当しました。
阿蘇さとう農園さんは、阿蘇の風景や営みを守るためにひつじを育てています。
「なぜ、ひつじが阿蘇を守ることに繋がるの?」このことを伝えるには、1000年も続く阿蘇の草原の歴史、そして直面している草原の危機について、伝えなければなりません。少々難しいこの話をわかりやすく優しく伝えるためにひつじを語り手にした物語を作りました。
A5サイズの冊子は、広げるとA2サイズのポスターになり、未来の阿蘇の風景が描かれています。
クリエイティブディレクションは伊澤良樹さん。イラストは、ながのまみさんです。
「わたしたちひつじは、阿蘇を守るためにきました。」
「どうしてひつじなの? 」そのことをお話しする前に、この美しい風景について先にお話しさせてください。阿蘇の草原は、はるか1000 年も昔から人々が利用することによって守られてきたことを知っていますか?人々は草をエサにする牛や馬を放牧し草を活用してきました。牛たちのふんは草と一緒に堆肥にして田畑を豊かにしました。春を迎える前に人々は枯れた草を焼く「野焼き」を行います。 野焼きをすることで、また元気な草が芽生えます。こうして、放牧や野焼きといった手をくわえることで今の草原の風景はあるのです。
ところが、この草原がなくなるかもしれないという危機を迎えています。牛を飼う人が減り草原の活用が少なくなったことがひとつの原因です。人の手が入らなくなると草原は、荒れてヤブになってしまいます。するとこの美しい風景も失われてしまいます。
「どうしてひつじが、阿蘇を守るの?」
ひつじは、野焼きの負担を軽減するだけではなく、羊毛、肉、骨や内臓、「ふん」までも、まるごと残らず活用することができます。そして将来的には阿蘇の観光資源にもなります。これらのことを、イラストでわかりやすく描いています。
「あそひつじみらいまっぷ」
ブランドブックを広げるとA2サイズのポスターになります。そこには、阿蘇さとう農園が目指す未来について描かれています。
①ひつじは牛と馬と、一緒に放牧…好む草が違うためそれぞれの動物は共存することができます。②1000頭のひつじを阿蘇の風景に…ひつじたちが草を食べることで草原を守ることにもつながります。③ひつじのお肉と阿蘇の野菜のレストラン…ひつじのお肉と阿蘇で採れた新鮮な野菜を食べていただけます。
④白や茶色や黒のひつじ。なのになぜ「しろひつじ」?…みんなに親しんで覚えてもらうため「しろひつじ」と名づけました。⑤阿蘇発信のブランド「阿蘇ウール」…おしゃれなニットや小物をつくって、世界に発信します。⑥しろひつじ毛刈り体験やふれあい体験…体験を通して、ひつじのこと阿蘇のこと知っていただけます。⑦草原の中で、ピクニックやバーベキュー…ひつじや阿蘇の雄大な風景をみながらリフレッシュ!
クレジット
CLIENT : 阿蘇さとう農園
CREATIVE DIRECTOR / ART DIRECTOR : 伊澤良樹(PONO)
COPYWRITER / PLANNER : 石川朱音(つむぐ inc.)
ILLUSTRATOR : ながのまみ